関口雅幸(せきぐちまさゆき)さん:関口養鯉場

関口雅幸さん

関口養鯉場は関口昭和とパール銀鱗を作り出したことで知られる養鯉場であると同時に、昭和三色の生産を得意としており、今までに数多くの賞を獲得してきた。現在3代目の関口雅幸氏を中心に、大型で美しい昭和三色の生産に力を入れている。


関口さん親子関口養鯉場は祖父の耕祐が設立し、紅白、大正三色、浅黄の3品種を生産していました。当時、父の一男は染色の仕事をしていたのですが、あるとき鱗に玉のような光を持つ玉銀という品種を見て錦鯉に魅了され、副業として生産の仕事を始めました。それまで玉銀は3歳になると玉が消えてしまうという欠点があったのですが、父はその美しい光の定着に成功しました。玉の輝きが増し、何歳になっても玉が消えないことから、パール銀鱗という名称で新しい品種として認められました。初めて出した品評会で県知事賞をいただいたときは、家族全員で大喜びしました。実際にうちの鯉を見ていただければわかると思うのですが、鱗にある模様は、まるで本物の真珠の玉がついているかのように輝いています。

クマキ昭和その後、父は染色の仕事を辞めて錦鯉の仕事を専業とし、今度は美しい昭和三色を作り出しました。関口養鯉場が作出した代表的な昭和は、クマキ昭和と呼ばれるもので、数々の品評会で賞を獲得しています。おかげ様で昭和三色の人気が今でも高く、現在の生産比率は9割が昭和三色、1割がパール銀鱗となっています。

パール銀鱗昭和三色は中型のものが多く、紅白や大正三色と比べ体を大きく作ることの難しい品種です。今、関口養鯉場ではジャンボ系の昭和三色を作ろうと改良を重ねています。最近の当歳のでき具合から考えると、これから大きく成長し、80cm、85cmという大きな体に美しい模様を乗せた昭和三色ができると思いますし、それらの鯉が世界中の愛好家の方々から感動を得られればそんなに嬉しいことはないですね。父と私の間には共通する理想の鯉があり、それが関口養鯉場が目指す鯉です。私は鯉の育て方に関して、父の経験と技術を学び、自分の感性を信じて理想とする鯉に近づけるための努力をしていきます。しかし、私はどんなにすばらしい鯉ができても、100点満点をつけることはしません。なぜなら、鯉師は常に高いところに目標を掲げ、より良い鯉を作るための努力を惜しんではいけないと思うからです。

野池で作業する関口さん親子私たち新潟県の生産者は行政と協力し、鯉がKHVなどの病気にかからないようにするために細心の注意を払い、徹底した管理を行っています。ですから新潟県は日本全国で唯一、養鯉場からKHVを一度も出していないという実績のある安全な生産地なのです。それは皆、自分が作ったかわいい鯉を愛好家の方々により永く楽しんでいただきたいという気持ちがあるからこそだと思います。関口養鯉場がある魚沼市は、錦鯉生産の中心地である小千谷市から少し離れていますが、鯉にかける気持ちや誇りは皆同じです。これからも多くの人に喜んでいただける鯉を生産していきますので、日本のみならず、海外の愛好家の方々にも私の作った鯉を楽しんでいただきたいと願っています。


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(取材日:2005年10月28日)

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