KHV(鯉ヘルペス)感染についてのお知らせと緊急調査報告
2008年6月11日

残念な報告ですが、広島県の阪井養鯉場からKHVに感染した鯉が発見されたことが発表されました。

感染鯉が発見された同養鯉場の野池の一つは隔離され、然るべき調査機関によって詳細のテストが行われています。


KHV(鯉ヘルペス)感染についてのお知らせと緊急調査報告
2007年2月19日

残念な報告ですが、2007年1月30日に新潟県長岡市内の錦鯉生産業者からKHVに感染した鯉が発見されたことが発表されました。

KHV感染が確認された鯉は、この業者が昨年11月に千葉県の一般愛好家から購入した2尾で、感染状況確認のために隔離するべきところ他の鯉と一緒に池で飼育し、定期検査により2007年1月24日に異常が報告され、直ちにサンプル採取を行い厳密な検査を行った結果、1月30日に陽性と診断されたものです。

新潟県はこの業者がKHV感染防止のために取り決められている外部からの鯉の3週間隔離飼育を行っていなかったとして、この生産者に対して全ての鯉の移動禁止、全数処分および消毒を命令し実行されました。

幸いに、KHV感染鯉の持ち込みから処分までの期間に一切外部への移動あるいは販売が行われていないこと、また県内の他の生産者との取引が一切ないことが確認され、処分と消毒も完全に実施されたことが確認されたため、今回のKHV感染鯉発見に伴う外部への影響あるいはリスクは皆無であると判断されました。

昨年5月に県内ではじめてKHV感染鯉が確認されてから、今回の件を含め20件66尾のKHV感染が確認されました。
KHVそのものを壊滅することは残念ながら現在不可能ですが、新潟県はKHVゼロを目指してさらなる努力を続けるとともに、万が一KHVが発生しても国内外の愛好家やディーラーの皆さんに影響が及ばないようにリスク回避のシステムをさらに強化していきます。

新潟県の錦鯉生産者を代表して、今回のKHV発生でご心配をおかけしたことを心からお詫びするとともに、防疫マニュアルの徹底的な実施を改めて行うこと、特に県外からの鯉の持ち込みや接触に対して厳しい管理体制を整備し実行していくことをお約束いたします。


KHV(鯉ヘルペス)感染についてのお知らせと緊急調査報告
Vol.5(最終報告) 2006年9月1日

今年6月18日に第一報をお届けしてから4回に渡って経過を報告してまいりましたが、今回をもって最終報告とさせていただくことを嬉しく思っています。

昨日、錦鯉生産者の代表、新潟県担当職員、新潟県内水面水産試験場担当者および全日本錦鯉振興会新潟支部からエリアごとに任命された魚病指導員が集まり細部に渡 り状況を検討した結果、現在新潟にいる錦鯉にKHVに感染している、もしくは感染の疑いのある 錦鯉は一尾も存在せず、全ての錦鯉が健康であり安全であることを確認いたしましたので、 同日をもって流通自粛を解除し、ここに安全宣言いたします。

お詫び申し上げなければならないのは、7月19日に4回目の報告を行った後に新た な感染鯉保有者が5件発見されましたが、そのご報告が遅れて今回の安全宣言と同時のお知らせとなってしまったことです。

発見から本日までの76日間、私たちは「安全で美しい健康な原産地新潟の錦鯉」に皆さんが100%の信頼を寄せていただけるよう一丸となって必死に取り組んで参りました。
今回のKHV感染は2年前の震災で親鯉を失った生産者が他県の生産者から親鯉を借りた際の安全確認が充分で なかったことが原因です。しかし、発生時期が春先だったことと、迅速な対応をとったことにより、大切な愛好家およびディーラーの皆さんに感染鯉を提供してしまうという事態を招くことなく、今回の KHV問題を終結することができました。

現在新潟にいる全ての錦鯉、これから私たち新潟の生産者が提供する全ての錦鯉からKHV感染の錦鯉が出ることはございません。また、今年秋の池上げは例年通り行い、美しく健康 な錦鯉を提供させていただきます。
どうぞこれからも新潟の錦鯉をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。

皆さんのご理解とご支援に改めて心からお礼申し上げます。


Vol.4 2006年7月19日

今回のKHV感染鯉の発生から約1ケ月が経過いたしましたので現状を報告いたします。

既にお伝えした通り、KHVに感染した鯉の処分は全て完了しました。
その後引続き全ての関係者が一丸となって厳重な監視を含む対策を取り続けてきました結果、現時点で皆様に次のことをお伝えできることを嬉しく思っております。

その後KHV感染鯉はただの1尾も発見されていません。

KHV感染鯉を出した8件の生産者以外にKHV感染の拡大につながる恐れのある流通に係わった他の生産者あるいはディーラーあるいは個別ユーザーは1件も確認されていません。

KHVフリー鯉によるテストは全ての生産者に対して実施していますが、感染あるいは感染の疑いのある症例は一件も報告されていません。
以上のことから、今回のKHV対策が正しく行われ、期待された効果を上げていると判断しております。
然しながら、念には念を入れて引続き細心の注意を払って安全確認作業を行っております。

最終的な公式の安全確認が発表されましたらすぐにお伝えいたしますが、取り急ぎ以上報告申し上げます。


Vol.3 2006年7月10日

6月28日および7月7日に報告しました今回のKHV感染に関しての調査結果に対して世界各国からご理解と励ましの便りをいただいて おりますことに心からお礼申し上げます。
皆さんの便りの中に、KHV感染鯉を出した生産者あるいはその養鯉場の実名を何故公表しないのか、あるいは公表するべきでは ないかというご意見がございましたので、この場を借りてINPCとして実名を公開しないという判断に至った理由をご説明申し上げます。
言うまでもなく、私たちは今回KHV感染鯉を出した全ての生産者名を把握しています。
実名を公開するべきかどうかの議論も行いました。
その結果、次の2つの理由で少なくともネット上に実名を公開しないという判断に至りました。

新潟の錦鯉生産地を訪れたことのある方はよくご存知かと思いますが、全ての生産者は多数の池(およびプール)に分散して鯉を飼育しています。

生産効率だけを考えれば大きな池にまとめて飼育する方が良いのかも知れませんが、リスクを分散させるため、また高品質の錦鯉を生産する ために錦鯉原産地としてこの方式を継続してきましたし、今後も変更はありません。そのため、今回のように不幸にもKHVが発生した場合、まず 感染鯉が出た池(あるいはプール)の鯉を全て処分し、その池やプールから水を抜き徹底的な消毒を行います。それと同時に、他の全ての池やプールに 対しては新潟県の公的な試験機関が常に準備しているKHV無感染鯉(KHVフリー鯉)を泳がせ、厳重な管理のもとにKHVが発生しないことを 確認します。もちろん少しでも疑わしい兆候が出たときは直ちにその池またはプールの全ての鯉を処分し消毒します。今回皆さんにお知らせ している経過報告もこういった作業を行った結果行っています。

つまり、KHV発生鯉を出してしまった生産者は、一部の鯉は処分されましたが、安全が確認された多くの鯉を引続き飼育しています。
これらの鯉は安全が完全に確認されてから他の生産者の鯉と同様に販売されます。
これらの手順およびKHV対策システムを全ての愛鯉家やディーラーが熟知しているわけではありません。もし私たちが生産者名を公表した 場合、その情報によって同じ生産者の安全な鯉までもが疑われる状況を回避するべきだというのが1番目の理由です。


新潟県は錦鯉の原産地として約200年の歴史があり、生産者の大半が家業(ファミリービジネス)として養鯉業を営んでいます。

そのため多くの生産者が同じ苗字あるいは同じ養鯉場名をもっています。従って、私たちが生産者名あるいは養鯉場名を 公表したときに、同じ苗字あるいは同じ養鯉場名で業を営んでいる生産者がKHVを出した生産者と誤解されることが充分考え られます。もちろん彼らは今回のKHV発生に何らの責任も係わりもありません。無関係の生産者に対してのリスクを回避する というのが2番目の理由です。
既にお伝えしましたように、今回のKHV発生は幸いにも発生後すぐに適切な処置が施されたこと、幸いに発生時期が産卵から稚魚の 時期だったため対処が容易で、かつ市場に感染鯉が出荷される状況を回避できたことから完全な対策を講じることができました。

KHVは残念ながら世界のどの地域でも、どの段階でも発生し得るウィルス感染病であり、100%リスクを回避することはできません。だからこそ、日本の伝統文化であり新潟県の誇りである錦鯉をKHVのリスクから守るために産官学が一体となって努力しています。

新潟の錦鯉生産者は例外なく大いなるプライドと愛情をもって錦鯉を育てています。もし今回のKHV感染鯉の生産者名を公表 することで上述のようなリスクがなければ、皆さんに心配をおかけしたこと、自分達の不注意でKHV鯉を出してしまったことを 当事者である生産者たちは、できるならば皆さんに直接お会いして土下座して心からお詫びしたいという気持ちをもっていることを お伝えします。

どうぞ今回の私たちの考え方をご理解いただくとともに、新潟が引続き最も安心で高品質の錦鯉の供給地であることを 信頼していただきますようお願い申し上げます。


Vol.2 2006年7月7日

2006年6月30日に新潟県の錦鯉生産者代表、県担当職員、新潟県内水面水産試験場担当者および全日本錦鯉振興会新潟支部からエリアごとに任命された魚病指導員が一堂に会し、現状報告および対策についての確認を行いました。
新潟県は錦鯉の原産地および世界最大の生産地でありながら、徹底した防疫マニュアルとその実施によって、今までただの一度もKHV感染鯉を出したことがありませんでした。
今回、残念ながら産卵のために県外から持ち込まれた鯉がKHVのキャリアだったことにより、はじめて新潟県内の生産者からKHV感染鯉が確認されたものです。KHV感染の第一報は2006年6月18日で、5日後の同月23日に新潟県の公式発表が行われました。確認後直ちに防疫マニュアルに従った迅速な対応が取られたため、幸いに最小限の被害で食い止めることができましたことを改めてご報告申し上げます。

具体的な作業としては、感染鯉を出した生産者およびその生産者と鯉のやりとりがあった県内外の全ての生産者、計8件をリストアップし、感染した全ての鯉を処分しました。さらに、僅かでも疑わしい生産者との接触があった先を調査し、感染の可能性がないと思われる稚魚であっても、感染鯉との何らかの係わりがある場合は万が一の可能性を考えて処分するという「疑わしきは罰する」という徹底した厳しい処置を行っております。
今回のKHV発生が産卵から稚魚の時期だったことが幸いし、KHVに感染あるいはその疑いのある鯉は確認できた範囲では一切外部に流出しておりませんので、今回発生したKHVによる被害が拡大する可能性は極めて低いと考えられます。また、新潟県からKHVを完全に排除するために、感染した鯉の生産者と何の関係ももっていない生産者全ての鯉を検査するという作業を現在行っています。

これらの作業が完了し、近日中に公式の安全宣言を出すことができると考えています。
私ども生産者は今回の不祥事を良い教訓として、皆様に今後新潟の錦鯉は絶対に安全だという揺らぎない信頼をもっていただけるように、錦鯉原産地としての誇りをかけて努力してまいりますので、引続きご理解とご支援を心からお願い申し上げます。


Vol.1 2006年6月28日

誠に残念なお知らせですが、新潟県小千谷市内の錦鯉業者からKHV(鯉ヘルペス)に感染した鯉が発見されました。幸いなことに発見が早かったことと、以前から県と生産者が一体となった危機管理体制をとっていたことから、今回のKHV感染がさらに拡大する心配はほとんどありませんが、念のため全ての生産者に対しての確認作業を引続き行っております。7月初旬には改めて最終的なご報告をさせていただける予定ですが、まず緊急調査報告の形で経緯を説明申し上げます。

6月18日(日曜日)新潟県の生産者から初めてKHVに感染した鯉を確認しました。感染元は県外から移動してきた立て鯉だということを確認し、既にそこから感染し得る全ての鯉の検査と処分を完了しました。現在はKHVに感染した鯉が広がらないために、改めて新潟産の全ての鯉を再検査している最中です。詳細の報告は7月初旬に報告いたしますが、この場を借りて皆様にご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。

以前からお伝えしているように、新潟県では県と生産者が一体となって魚病対策に取り組んでおり、今回のKHV感染が拡大する前に対応できました。今後も引続きKHVの発生ゼロに向かって、より一層の努力を重ねて参りますので、皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。


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