私たちはKHVの昇温治療に断固反対します。

最近、『ＫＨＶに関して自然治癒した鯉や昇温治療を施した鯉は安心で他の鯉に感染しない』という間違った情報が流れ、それを信じている愛鯉家やディーラーが増えつつあることから、この場を借りて皆さんに警告するとともに私たち生産者が何故反対するかを説明いたします。

KHVの場合、自然治癒したり、昇温治療を施した鯉はPCR検査に対して陰性となる固体もあるため、上記のような誤解が生じたと考えられますが、一見健康に見えるPCR検査で陰性の鯉もKHVを持ち続けています。つまり自然治癒した鯉も昇温治療をした鯉はウィルス保菌鯉であるということなのです。例えば、KHVに感染後、32℃で昇温治療を行ってから14ヶ月経過した鯉にもKHVの存在が確認されており、このような鯉が、ストレスが加わるなどの原因により体調不良に陥り、免疫力が低下するとウィルスが活性化することが水産総合研究センターをはじめ関係研究機関での実験により確認されています。
実際に、2005年には錦鯉の流通や移動を通じてKHV保菌鯉が感染源となって養殖場などで感染が拡大したと疑われる事例が散見されました。
KHV保菌鯉は見かけ上健康で、病気の症状が出ないことから、売買、一時預かり、品評会への出品などを通じて感染を拡大させる原因となることが充分考えられます。
改めて申し上げます。『KHVの自然治癒や昇温治療をした鯉が完治し、他の鯉に病気がうつらない』というのは全くの誤解です。
愛鯉家の皆様、またディーラーの皆様、さらに品評会などを運営される鯉クラブの皆様にはこのことを充分に認識していただき、一見健康に見えるＫＨＶ保菌鯉が感染拡大の原因となるリスクを回避するように細心の注意を払っていただきたくお願い申し上げます。

私たち日本の錦鯉生産者は、ウィルスフリーの錦鯉を生産・流通していくことが最も安全で、皆様に錦鯉を安心して楽しんでいただく方法であることを認識し、厳しいガイドラインを設け、マニュアル厳守を徹底させています。日本の錦鯉生産者は厳しい検査をパスした上で安心・安全な美しい錦鯉を厳選して皆様にこれからもお届けしていきます。
このメッセージをご覧になった方は是非、メッセンジャーとなって周囲の愛鯉家あるいはディーラーをはじめとする関係者に正しい情報をお伝えください。

皆様のご理解、ご協力に心から感謝申し上げます。