宮賢太郎(みやけんたろう)さん:宮石養鯉場
宮賢太郎さん

宮石養鯉場は石太郎氏、徳蔵氏、賢太郎氏の親子3代に渡って錦鯉の生産を続けており、新潟の農業祭で2度の優勝を果たしている。生産品種の中でも金昭和は特に有名で、各地の品評会で多くの賞を獲得している。


宮徳蔵さん、賢太郎さん親子宮石養鯉場は初代宮石太郎が1937年に創設しました。錦鯉を専業としたのは1963年からですが、生産よりも良い鯉を仕入れて売る流通を主体にしてきました。養鯉業者として生産に力を注ぐようになってからは、孔雀、秋水、衣、銀鱗昭和、ドイツ三色、白写り、御三家、金昭和など多くの品種を作っています。中でも金昭和は、生産に力を入れ始めた最初の年に良いメスの親鯉を入手できたこともあり、いきなり品評会で受賞するという幸先の良いスタートでした。金昭和のポイントは光り方にあります。通常は明るく光る体には墨が出にくいと言われているのですが、私の作る金昭和は明るい光を保ちながら、墨も出やすく、艶やかな赤の緋がそのふくよかな体に映えることから多くの方々に喜んでいただいています。最初に入手したメス鯉は残念ながら2004年の震災で亡くしてしまいましたが、今後は立てていたその子供を親として使っていきたいと思います。

葡萄衣ここ数年、海外にも錦鯉の愛好家が増えていることをとても嬉しく思っています。宮石養鯉場で生産された鯉の半分以上は海外に届けられているのではないでしょうか。今は主にヨーロッパが中心で、フランス、イタリア、イギリス、オランダ、チェコ、スロバキアが主要な輸出先となっています。やはり地域によって趣向が異なり、日本では型模様が良い白地の多いものが好まれる傾向にありますが、ヨーロッパでは変わりものや少し暗めの鯉が好まれています。私は、異なる文化や感性を持った海外の人々が日本の錦鯉に興味を持ち、美しいと感じ、大切に飼っていただけることに大きな喜びを感じます。錦鯉には国境を越えて人々を惹きつける魅力があると思うのです。

宮石養鯉場兼自宅 以前の私は錦鯉も含め生き物自体に興味がなく、流通関係の勉強をした後、叔父が経営する鯉用品の資材を扱う会社で働いていました。あるとき父が脳梗塞で倒れてしまい、急遽私が代わりに鯉の生産や流通の仕事をするようになったのですが、鯉に接するにつれ、その魅力にとり憑かれていき最終的には完全にのめりこむようになりました。父は数ヶ月に渡り療養生活を送っていましたが、時々庭に出て錦鯉を見ると気分がリフレッシュするようで、とても嬉しそうにしていたのを覚えています。

農林水産大臣賞受賞鯉私は個人的には大正三色が好きで、特に紅質にはこだわって作っています。納得のいく大正三色を作るのは本当に難しく、なかなか自分のイメージ通りにはいかないのですが、そこがまた楽しいのです。もっと美しく、より良い鯉を作るためにはどうしたらいいのか、気がつくと鯉のことばかり考えています。私は愛好家の方々にも自分の鯉が美しく成長していく楽しさを知っていただき、末永く鯉を楽しんでいただけることを願っています。そのためにも、いい系統の親を使い、良い環境で丈夫に育て、すばらしい鯉を作っていこうと思っています。


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(取材日:2005年9月14日)

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