「錦鯉の美しさ」つまり鑑賞のポイントには一定のルールがあり、これは一般的に「体型」「質」「模様」と言われています。

以下の3匹は全日本錦鯉振興会の全体で総合優勝した銘鯉です。それぞれが優勝鯉ですが、優勝する決め手になった要因はそれぞれ違います。一番上は体型が特に素晴らしかったため、中央は質が特に素晴らしかったため、一番下は特に模様が素晴らしかったために優勝した鯉です。



【体型】

鮎や鱒などの渓流に住む魚は強い水流の影響で体が細く長い体型になりますが、水の流れがない池に生息する錦鯉は丸みを帯びた紡錘形になります。きれいな紡錘形であるほど錦鯉にかかる水圧は軽減されるだけでなく、最も美しい体型と言われています。


写真の錦鯉は「ダイヤの仮面」と呼ばれる銘鯉で、頭、胴体、尾のバランスが最高で、理想的な紡錘形になっています。その姿には風格が漂い、とても優雅です。
体型の美しい鯉

【質】

質とは錦鯉が持つ素地であり、全体の潜在能力をさします。紅白で言えば、白地は「雪化粧」のように白い方が良いとされ、緋や模様の色は鮮やかでありながら、深い方がよいとされています。錦鯉の質は親鯉のかけ合せで決まるもので、それは生産者が作り出すものです。その質は成長に伴って美しさとして現れてくるので、それを引き出すのが愛好家の役目です。

写真の錦鯉は「ローラン」と呼ばれる銘鯉で、この錦鯉は素晴らしい緋だけでなく、類を見ない程の美しい白地を持っています。白地が美しいので緋がより一層映え、美しさを際立たせています。
質のすばらしい鯉

【模様】

錦鯉を楽しむ上で最もポピュラーな鑑賞ポイントが模様ですが、品種によって、模様の鑑賞ポイントは変わるので、その違いについての知識は不可欠です。人を惹きつけるダイナミックな模様やバランスの取れた模様など各錦鯉の個性を表す一つが模様です。

写真の錦鯉は品種改良が進められた結果作出することができた4段紅白です。模様の素晴らしさは上二匹の錦鯉よりも素晴らしく、それが認められ優勝しました。大きな品評会で優勝した錦鯉の模様が流行になることが多いようです。
模様の美しい鯉

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