第37回全日本総合錦鯉品評会入賞者速報
37回総合優勝今年で37回を数える、全日本総合錦鯉品評会が1月21日に開催されました。

この品評会は、錦鯉原産地である日本で最も大きく、実質に世界大会と呼べるものです。東南アジア諸国、アメリカ、ヨーロッパなど世界中の愛好家が自慢の錦鯉をこの大会に出品されその美しさを競います。
今回大会はイギリスの愛好家が総合優勝を獲得し、名実共に世界大会となりました。「全日本総合錦鯉品評会」を「全世界総合錦鯉品評会」と名称変更する時期が来たことを痛感します。実質的に世界チャンピオンになられた受賞者のMartin & Mark さんには心からお祝い申し上げます。

総合優勝に輝いた9尾の錦鯉の写真にコメントをつけて、各賞の受賞結果をお知らせします。

国際錦鯉普及センター理事長:樹神衛(こだままもる)

平成18年1月21日(土)・22日(日)開催
主催:全日本錦鯉振興会
後援:農林水産省・東京都・新潟県
大会総合優勝
品種区分/部別 紅白/第90部 37回総合優勝
受賞者(国) Martin & Mark (イギリス)
Martin & Mark
Martin & Mark
【コメント】
 この鯉は世界チャンピオンになるにふさわしい鯉です。
チャンピオンになるには美しさにプラスして個性の豊かさが必要です。ご覧下さい、その顔のデザインはこの鯉独特です、そ して背から尾部まで体全体には他の鯉には見られない..この鯉独自の模様が力強く描かれています。

じっと見ていると「大魚の部総合優勝」に輝いた三段紅白にはない魅力が感じられます。その魅力は「変化に富んだ緋模様」と「背部の大きく広がった純白の白地」から出ているのです。とくに背部の「純白の白地」はこの鯉の最大の美を表現してい ます。
また「尾止め」が素晴らしい。総合優勝した九本の鯉の「尾止め」を比べてください。この鯉が一番優秀な尾止めをしています。尾止めの優秀さ は「チャンピオン」を獲得するのに重要なポイントです。
大魚の部総合優勝
品種区分/部別

紅白/第90部

大魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 白坂大四郎(大阪府)
白坂大四郎さん
白坂大四郎さん
【コメント】
 本来、錦鯉は庭池で複数を群泳させて鑑賞するものです。
所有者の白坂氏は日本を代表する愛好家ですから、きっと白坂氏の庭池にはこの鯉を中心に名魚が集められ、この鯉の長所が最大限 に活かされた総合美が形成されていることでしょう。
しかし 「錦鯉の品評会」は出品された一尾一尾の美の競争です。

紅白の場合、その美の要素である「緋と白の組み合わせの美」 の比較審査となります。この鯉は今大会のチャンピオンにふさわしい銘鯉ですが、チヤ ンピオンになったMartin氏の鯉と比べると「白地の魅力」が表現されていません。すなわち緋の圧倒的な力強さが前面に出て白地の魅力が隠されています。比較審査の場合、相手によって最大の魅力が最大の敗因となることがあるのです。
巨鯉の部総合優勝
品種区分/部別 昭和三色/第80部 巨鯉の部総合優勝
受賞者(都道府県) 山岡直芳(滋賀県)
山岡直芳さん
山岡直芳さん

【コメント】
 「墨と緋」の組み合わせが鮮烈に目に飛び込みます。
昭和の場合は特に「墨模様」のあり方が重要で審査にあたっては高く評価されます。この鯉の墨模様をご覧下さい。明るくデザインされた前半の墨と力強さを表現する後半の墨が絶妙な美しさをかもしだしています。当然その美しさをバックアップしているのは緋盤と白地の美です。右手の元墨をご覧下さい。墨質の良さが理解できます。この鯉の美しさの原点は墨質・緋質・肌質の「質の良さ」から来ています。

巨鯉オスの部総合優勝
品種区分/部別 紅白/第90部 巨鯉オスの部総合優勝
受賞者(都道府県) 飯塚三郎(山梨県)
飯塚三郎さん

受賞風景     (写真は代理人)

【コメント】
 伸び伸びとした体に顔から尾部まで配置よく模様がデザインされた銘鯉です。
その緋質も極上で、白地には覆鱗がはっきり描かれ、質の良さを物語っています。

壮魚の部総合優勝
品種区分/部別 大正三色/第70部 壮魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 中村よし江(三重県)
中村よし江さん

受賞風景     (写真は代理人)

【コメント】
 大きな墨が鮮烈に目に飛び込む力強い大正三色です。
その墨が三段緋を生かし、美しさをアピールしています。
タイトルを取った理由はこの墨の力と言えましょう。

壮魚オスの部総合優勝
品種区分/部別 昭和三色・写りもの/第70部 壮魚オスの部総合優勝
受賞者(都道府県) 財満和洋(福岡県)
財満和洋さん
受賞風景     (写真は代理人)

【コメント】
 緋模様と墨模様の組み合わせが理想的で、「昭和の銘鯉」と呼ぶににふさわしい鯉です。
まず緋模様が優秀です。明るい顔、変化に富んだ背部の模様、鮮烈な後半の緋、そしてすっきりと決めた尾止め。まさに理想的な緋模様を描いています。
その緋模様に「角墨」がからだの左右をしっかりとかため、緋模様の美しさを一層引き立てています。将来、口墨が出ればその美しさは倍増するでしょう。

成魚の部総合優勝
品種区分/部別 昭和三色/第55部 成魚の部総合優勝
受賞者(国) Lee Kok Yong (マレーシア)
Lee Kok Yongさん

受賞風景     (写真は代理人)

【コメント】
 昭和としての魅力を最大限に描き出した鯉です。
ハチの面割れの魅力、体を等分に輪切りにした墨模様、その間に鮮やかに彩られた真っ赤な緋。豪快でありながら、明るい美しさを表現した魅力ある鯉です。

若鯉の部総合優勝
品種区分/部別 大正三色/第40部 若鯉の部総合優勝
受賞者(都道府県)

上野武男(埼玉県)

上野武男さん
受賞風景     (写真は代理人)

【コメント】
  丸点三段緋に極上質の「肩墨、背墨、尾墨」が力強く描かれた一品鯉です。
この鯉の魅力はなんと言っても「墨のあり方」でしょう。
可愛く美しい丸点緋に極上質の緋盤に「肩の三角墨」、「背びれ中央の角墨」、「尾部の大きな墨」が見る人々を魅了します。
三色の魅力は墨にあることがこの鯉で理解できます。

幼魚の部総合優勝
品種区分/部別 昭和三色/第20部 幼魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 鵜木健(北海道)
鵜木健さん

受賞風景     (写真は代理人)

【コメント】
 緋と墨のコントラストが美しくアピールされた鯉です。
顔から背にかけて伸びている「深紅」の美しさ、中央の白地、後半の緋と墨によって描かれた美。
簡潔にデザインされた緋と墨の美しさが見る人々を魅了します。

※受賞者は各受賞鯉の所有者です
国魚賞リスト
区別 品種 受賞者(都道府県・国)
一般の部 15部 A銀鱗 植田雅章(東京都)
一般の部 20部 ドイツ鯉 古川博美(東京都)
一般の部 25部 紅白 久山勝一(広島県)
一般の部 30部 大正三色 浜道忠司(広島県)
一般の部 35部 大正三色 近藤秀夫(愛知県)
一般の部 40部 昭和三色 篠田雅雄(東京都)
一般の部 45部 紅白 永田清志(長野県)
一般の部 50部 昭和三色 山下徳久(熊本県)
オスの部 55部 紅白 大塚敏夫(神奈川県)
一般の部 55部 紅白 鰐本規之(岐阜県)
オスの部 60部 昭和三色・写りもの 柴田尚彦(東京都)
一般の部 60部 写りもの 高橋重勝(東京都)
オスの部 65部 大正三色 岡野広明(東京都)
一般の部 65部 大正三色 野々垣英伸(愛知県)
オスの部 70部 紅白 鰐本規之(岐阜県)
一般の部 70部 紅白 野口裕樹(滋賀県)
一般の部 75部 大正三色 小口正(茨城県)
オスの部 80部 紅白 菱田勝(愛知県)
一般の部 80部 紅白 Andrew Filipowski(アメリカ)
オスの部 85部 大正三色 大町之夫(埼玉県)
一般の部 85部 大正三色 黒田庄二郎(徳島県)
オスの部 90部 昭和三色・写りもの 小口正(茨城県)
一般の部 90部 大正三色 金山東伍(東京都)
種別日本一賞リスト
区別 品種 受賞者(都道府県・国)
一般の部 90部 大正三色 金山東伍(東京都)
一般の部 90部 昭和三色 緒方健一(福岡県)
一般の部 90部 写りもの Martin Eric Plows(イギリス)
一般の部 90部 光り無地 中井稔(大阪府)
一般の部 70部 光り模様 野々垣英伸(愛知県)
一般の部 90部 浅黄 薄井正春(東京都)
一般の部 90部 秋翠 加藤柾男(栃木県)
一般の部 80部 五色 岡山桃太郎鯉(岡山県)
一般の部 90部 変り鯉 広瀬道子(愛知県)
一般の部 75部 A銀鱗 金山東伍(東京都)
一般の部 85部 B銀鱗 広瀬道子(愛知県)
一般の部 85部 べっ甲 高田稔(熊本県)
一般の部 70部 光り写り 加藤栄作(千葉県)
一般の部 85部 丹頂 中一孝銘(石川県)
一般の部 70部 尾形浩美(福岡県)
一般の部 85部 ドイツ鯉 加藤柾男(栃木県)
一般の部 80部 孔雀
一般の部 70部 九紋竜 篠塚慶一郎(東京都)
桜賞リスト
区別 品種 受賞者(都道府県・国)
一般の部 15部 ドイツ鯉 若森功(新潟県)
一般の部 20部 A銀鱗 平井正弘(鳥取県)
一般の部 25部 孔雀 田中義雄(神奈川県)
一般の部 30部 A銀鱗 伊藤哲夫(長野県)
一般の部 35部 野々垣英伸(愛知県)
一般の部 40部 ドイツ鯉 羽太和夫(神奈川県)
一般の部 45部 A銀鱗 林晶栄(長野県)
一般の部 50部 変り鯉 杉田隆(埼玉県)
オスの部 55部 ドイツ鯉 熊野逸喜(広島県)
一般の部 55部 光り写り 野々垣英伸(愛知県)
オスの部 60部 A銀鱗 篠塚慶一郎(東京都)
一般の部 60部 広瀬道子(愛知県)
オスの部 65部 A銀鱗 大鐘康夫(福島県)
一般の部 65部 五色 伊藤仙太郎(新潟県)
一般の部 70部 変り鯉 戸部三治(埼玉県)
一般の部 75部 孔雀 小林信之(京都府)
一般の部 80部 孔雀
一般の部 85部 浅黄 蘇志強(中国)
一般の部 90部 変り鯉 広瀬道子(愛知県)